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紫外線吸収剤 人と地球への影響

環境とは何の関係もなさそうな日焼け止め。
海のサンゴ礁に影響があることが分かっています。

紫外線をブロックする成分は、大きく分けると「紫外線吸収剤」「紫外線反射剤」の2つがあります。
森海谷シリーズの日焼け止めに「紫外線反射剤」 の「酸化亜鉛」を使った理由。それは、
1.人の肌への影響を考え、なおかつ、きちんとブロックする効果と肌にやさしいもの
2.地球への影響、環境ホルモンや海に生息するサンゴへの被害
の2つの視点から選んだから。

人ヘの影響

「紫外線吸収剤」は化学合成された成分。
どのように紫外線を防ぐのかというと、紫外線を吸収して熱や赤外線のエネルギーに変えて放出します。
そのとき、皮膚の表面で化学反応が起き、肌に大きな負担を与えてアレルギーになったり肌が荒れてしまう可能性があります。

環境への影響

「紫外線吸収剤」として使われる主な成分となるオキシベンゾンやベンゾフェノン、ケイヒ酸は2008年にイタリアのマルケにあるPolytechnic UniversityのRoberto Danovaro教授がサンゴの白化(死滅)の原因となっていると研究結果を発表。
また2015年10月に環境毒物学専門誌「Archives of Environmental Contamination and Toxicology」ではオキシベンゾン、ベンゾフェノンがほんの低濃度でもサンゴのDNAにダメージを与え環境ホルモンの影響もあると発表しています。

オキシベンゾン、ベンゾフェノン、メトキシケイ皮酸エチルの成分については、スイスのthe Institute of Toxicologyも2001年に環境ホルモンの影響があると研究結果を発表し、白内障や皮膚がんとなる可能性もあるとのこと。

ついには2018年に、ハワイ州で、サンゴ礁への有害性が指摘される物質を含む日焼け止めの販売を禁ずる法案が成立しました。

サンゴ礁はいわば「海の森」。地上の森と同じく二酸化炭素を酸素に変えたり、いろんな生き物のおうちになっていたり、食べ物の恵みを私たちにもたらしてい ます。もちろんサンゴ礁へのダメージは、地球の温暖化やゴミの流入、生活排水による影響もあるでしょうが、微量で低濃度でも影響がある化学物質もまたダ メージを与えていることも事実。

研究での実証はまだなされていませんが、サンゴ礁だけでなく海や川の生き物すべてに対しての懸念も想像するのに難しくありません。

日本を含め世界各地でこうしたサンゴを復活させる試みは行政も個人も含めて行われていますが、一度死滅したサンゴはほぼ復活することはなく、再生させるのも容易ではないようです。

また、そのような成分を使い続けることも肌によいことではないでしょう。

ほかにもSTATICBLOOMが気を付けていること

紫外線反射剤には酸化チタンと酸化亜鉛があります。どちらも鉱山から取れるものですが酸化亜鉛は収れん作用があり、肌トラブルの軟膏など医薬品としても使用されるほど。

また、成分にはなるべく生分解されるものを選んでいます。

結果、人にも地球にも優しいものになりました。
今後は日焼け止めの容器をリサイクル素材に変更していきたいと考えています。
その時は、またご報告させていただきます。

( Rewrite 2018 article )

補足

サンゴ礁の白化と環境ホルモンの影響のある成分=オキシベンゾン、ベンゾフェノン*、メトキシケイ皮酸エチル

※紫外線吸収剤の旧指定成分
成分は何種類かあり、高SPF/PA値を出すために酸化チタンや酸化亜鉛と抱き合わせで使われていることも。
*1980年に旧厚生省が皮膚障害を引き起こす可能性があるものとして表示を義務付けた化学成分

  • オキシベンゾン(オキシベンゾン-3)
  • 2-ベンゾトリアゾール
  • t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
  • メトキシケイヒ酸オクチル(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
  • パラアミノ安息香酸(エチルPABA)
  • グアイアズレン
  • サリチル酸フェニル

* ベンゾフェノンは環境省がダイオキシンなどと並んで環境ホルモンの化学物質として指定しています