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シングルウォールテント

初めてのテント選びという記事を見ると、ダブルウォールテントとシングルウォールテントのメリットデメリットが整理されていて、分かりやすい。僕自身も若いころはよく読んだ。今でも、勉強のために読んでいます。。。

ここでは、その点には触れずに、SAMAYACRUXLIGHTWAVEという取扱いブランドのテントを念頭に、少し偏っているかもしれない説明をしてみたい。

1. シングルウォールテント

雑誌などを見ても、ダブルウォールと比較してページ数も少ない。そう、モデル数が少ないからだ。つまり、日本国内はダブルウォールの主戦場。アメリカもダブルウォールやインナーメッシュウォールのテントが主力。シングルウォールはヨーロッパブランドに多い。それは、その気候やアルピニズムの歴史と関係しているわけ。多分、ヨーロッパ人の歴史背景の気質と、アメリカ人のフレキシブルさも影響しているのかもしれない。ちょっと言い過ぎかも。

さて、テントは元々シングルウォールが存在し、その結露性、前室の確保を解決するためにダブルウォールが登場しています。そして、そのまま歴史は固定された。。。
つまり、ダブルウォールが日本では使い易いという事になり、ユーザーも納得し、そのマーケットが育まれてきました。
しかし、ダブルウォールも完璧ではありません。耐水性、設営の手間、濡れた際にスタッフバッグに入らず重いなど。大した問題じゃないかも!?
でも、シングルウォールの高耐水性、設営の用意さ、濡れの少なさなどは、ダブルウォールのデメリットと逆を行くわけです。そうなると、シングルウォールって無視は出来ない存在ですよね。

僕個人としては、その機能云々の手前レベルで、立ち姿の美しさからシングルウォールが好きなんです。
その孤高なシンプルさ、潔い感じ、カッコイイなぁと思ってしまいます。

いずれにせよ、シングルかダブルかという議論の前に、シングルウォールを整理してみましょう。

シングルウォール=壁1枚

なのですが、その「壁」が問題です。
「撥水性の生地」か「防水透湿生地」かに大別されます。

撥水性の生地」を採用しているものとしては、ヘリテイジのクロスオーバードームが最近の代表格でしょうか。とにかく軽量でコンパクト。30Lザックで数日山行できるほどで、発売と同時に買ったのは言うまでもありません。自立式テントとして1㎏を大きく下回るというのは、今でも色褪せない魅力です。これをうまく使うと山行をとても違ったものに進化できると思っています。

一方、「防水透湿生地」採用のものは、雨合羽レベルの防水性と透湿性を兼ね備えていて、雨の山行、予期せぬ豪雨などに安心してテント内に滞在できる、「助かった」「あー快適」を提供していくれるお家です。
最近は、この区別なく「シングルウォール」と十把一絡げ。
ここは、実利をとるためにも、「撥水系シングルウォール」「防水系シングルウォール」と内心で区別しておくことをお勧めします。
区別=使い分けをする、という事です。

例えば、
天候の安定性がほぼ確実な山行で、軽量性を超重視する場合は撥水系を使う。
天候の不確定要素があり、しかも稜線など耐風性も求められる山行では、防水系を使うなど。
とにかく、シングルウォールにも性能で2種ある事を理解しましょう。

2. 第3の選択肢、ハイブリッド・シングルウォール?

シングルウォールの場合、基本前室が設定されていないことがほとんどです。もちろん、別売で用意できるものもありますが、この基本形「前室無し」が、ネックとしてとらえられています。冬期は別として、汚れた靴をテントに入れたくない、雨の際は調理に困るなど、前室の有無は快適性に直結するからですね。特に潔癖症でなくとも多くの人が、そう思うのではないでしょうか。
そこで登場するのが、ハイブリッド・シングルウォール。

LIGHTWAVE社の「Sigma」シリーズは、本体3面が防水系シングルウォールで、エントランスがある面がダブルウォール式になり、前室が設置されているのです。
雨に対する安心感と前室のある使い易さが上手く融合しているわけです。靴も外に置ける、調理もしやすいですね。
しかも、気密性の高いシングルウォールは結露が起こりやすいですが、ダブルウォール面があることで、通気性が上がり、結露の量が減ります。メリットだらけ!?

実際に使用してみると、使い易さ、安心感、設置の用意さ含め、個人的には日本の3シーズンテントとして抜群に良いかなと思います。これまで、NEMO社のアンディも使いましたが、かなり近い構造だと思います。違いは、耐水性にあり、Lightwaveは耐水圧20,000㎜の生地を使っているので、雨の山行にも安心です。

シングルだ、ダブルだって、時代遅れ?とまでは言いませんが、チョイスとして検討に値するテントではないでしょうか。
今回はここまで。今後は、シングルウォールの生地、フロアの耐水性など説明してみたいと思います。

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SAMAYA 2-3人用で1.5kという軽量を実現したフランスのブランドです。
CRUX LIGHTWAVE イギリスのテントブランド。完全防水バックパックや寝袋も取扱ってます。